"8月4日の午後の決断"

"8月4日の午後の決断"


僕は普通でありたいようで

特別でもありたい

 

思春期のあいつの影には引力があって

自転している少年たちを

どうして近くに引き寄せたのか

 

混ざり合う想いをひとつにする

それを型抜きにして

焼いたクッキーを食べてみたい

 

体は退行していくけど

心の進化は止まらない

戻っているようで進んでいる小舟に乗って

 

いつか空のように大きな愛で

大切なことを見渡してみたい

 

生まれ変わるそのまえに

大切なことを思い出したい

 

混ざり合う想いをひとつにする

それを型抜きにして

焼いたクッキーは格別だったはずだ

 

余計な荷物を捨てるところから

新しいことがはじまると知っている

 

 

 

そんなことを考えた熱暑の午後

どうして麦茶は氷を鳴らしたのか

 

少年が夕暮れに見た自分の影に向かって

蹴り飛ばしたソーダの空き缶のような

からんころんという音を立てて