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つまづきに肯けるその時まで

君へ

 

太陽は東から上がることを


いまだにやめない

 

立ち上がる時はいつだって


つまづいた後だ

 

僕はね


桟橋の見える景色の上に


数十年に1度の天体を待ったことがある

 

きっとね


生まれ変わる前の世でも


僕は黒い月を見てみたくて


やっぱり同じ景色にいたんだと思う

 

雲に覆われて見れなかったけど


想像は虚しさを薄めてくれた

 

想像したことはね


見えてる物事とは違った世界に在るんだと


そう考えてる人が多い

 

本当は現実と理想は


同じ糸で編まれた一本の帯みたいになって


同じ僕らを行き来しているのさ

 

暮れていくその向こうに


生まれ変わった明日を


想像してくれないか

 

美しい薔薇には棘がある


もし花だけが土へ帰った時に


残された棘はどう決断するのだろう

 

長くて狭いあの産道で


くぐり抜けた後に待つ光を


どうして君は知っていたのだろう

 

君のシナリオには


書き直すことは許されていない


書き加えることは認められている

 

いまひとりぼっちで歩いている君へ

 

このつまづきに肯けるその時まで