僕のすべて
僕のすべて
これまでの苦しみが ひとつの解放に弾けた
どれだけの過ちも ひとつの功績が救えるように
テープをきったランナーは
いつも光のベールを纏っている
限りない海を見渡す心で
果てしない空を見上げている
飲み終えた水筒から鳴った氷の儚さ
うまく仕舞えない折りたたみ傘のもどかしさ
なんにしろ生きるってことは
いつもどこかで満タンではない
割り切れない算数は
分母と分子で景色にしておくのが答えなんだ
続く梅雨空が欲しがる太陽と
真夏の焼けた土が欲しがる雨は
同義なのだろうか
あの弦楽器の名前を僕は知らない
ただ音色のやさしさは知っている
それがいまの僕のすべて
ありがとう