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アドラーに学ぶ

夢は
醒める前に楽しまなくてはならない
そこに帰ることはできない

覚めた時は眩しいが
光から逃げてはならない

僕は 僕の夜を守って
僕は 僕の朝を迎えるんだ

想像に支配されてはならない
道より先にハンドルをきれない

万物に優劣はない
座標がみな違うのだ

科学より歴史を学べ
公式よりも言葉を使え

悲しみはすぐに手放して
僕はアドラーに学ぶのだ

流れ星を待つよりも
新しい朝のほうが簡単だ

サイレント映画の中で

人との関係は相対的だ

 

鏡の前で支度をしたら


心は誰かに映しだせ

 

ここでの僕は


昼間は私になって


日が暮れて俺になる

 

いろんな人に好かれたいと思うが


許せないやつを思い出してる

 

伝えたいことが伝わらない


聞きたい声が届かない

 

言葉は直感を鈍らせる


視力は心を霞ませる

 

霧の中で


光のほうへ向かうのか


うごめく影から逃げるのか

 

本当はみんな思ってる


誰もがみんなを想ってる

 

いつか晴れたとき


サイレント映画の中で語りたい

 

道化師のパントマイムで


君の足を止めたなら

 

伝えたい


届けたい

 

君だけには 好かれたい

 

 

 

物語の真ん中で

互い違いのシューズで走る子は

気にならないほど楽しいらしい


ヒーローになりきって

歩道の上から空を飛ぶ


絵本は心を解き放ち

同じところを何度も開く


気付くと

太陽が月に変わっていた毎日


昼には夜が必要なように

正義には過ちが必要だ


白夜であってはならない
正しさの背中には悪がいる


お風呂の窓から吹いた風は

冷やかなほど気持ちいいんだ


「おとうさん」と呼ぶことも

「おかあさん」と呼ぶことも

嬉しかったあの頃に

僕は僕を置いてきてしまった


人は今しか歩くことが出来ず

見上げた先には未来しかない


つま先は毎日見えているが

かかとを見ることはない


世界は広いが

人は自分の中を歩いている


宇宙は果てしないが

僕らはもっと遠い空からやってきたらしい


ナスカの地上絵の描き方も


一夜で作られた畑のサークルも


そこにマニュアルが開かれてる


科学は正しいという迷信の風なら

僕は風を選ばない


ほんとのことを忘れてしまっただけなんだ


いつか


いつかきっと思い出すけど

 

僕はいま知りたい

 

いま 感じたい

 

物語の真ん中で

 

 

 

 

Roots

Roots

通りすがりのやさしい風が
髪を撫でて抜けていった

僕は少しだけ心地よくて
誰かのための自分になれた

バトンをふたつに分け合って
次の人へ渡していく

ペイ・フォワードの少年に
近づいた気がしている

優しさはやがて膨らんで
気球になって運んでくれる

遠い空の向こうのほうへ
手を引く白い天使になって


波のルーツは
大地の自転が生んだ
海を撫でゆく風

小さな水面の震えが
もうひとつと足し算になって
かけ算になっていく

小さな集まりが続くと
大きな塊が息吹く
たとえばそれを海底の
スイミー作戦と呼んでみようか

この世界から
蜜蜂を守るようにと
アインシュタインは言う

人は文明を創ってきたが
生存には微生物が不可欠だ

大きな樹の下には
毛細血管状のホースが拡がる

張り巡らされた根は
長編ドラマの最後に
実をつけるのを待っている

昨日は 窓際の席で

校庭の中に見付けたよ


今日は 廊下で近づいて

会話のボリューム上げたんだ


放課後の靴箱で

明日もやっぱりすれ違いたい


シューズの不在を横目で見たら

校門飛び出し追いかけた


あの頃


毎日会えないと

恋のカロリー上がっていった


あの夏

フォークダンスの最後のほうで

重ねた手のぬくもり忘れないように

寝なかった僕だけの夜


桜の季節

ひそかに彫った 机の上の

イニシャルみたいに 深くてはっきりと


残しておきたい

僕の

恋の話

つまづきに肯けるその時まで

君へ

 

太陽は東から上がることを


いまだにやめない

 

立ち上がる時はいつだって


つまづいた後だ

 

僕はね


桟橋の見える景色の上に


数十年に1度の天体を待ったことがある

 

きっとね


生まれ変わる前の世でも


僕は黒い月を見てみたくて


やっぱり同じ景色にいたんだと思う

 

雲に覆われて見れなかったけど


想像は虚しさを薄めてくれた

 

想像したことはね


見えてる物事とは違った世界に在るんだと


そう考えてる人が多い

 

本当は現実と理想は


同じ糸で編まれた一本の帯みたいになって


同じ僕らを行き来しているのさ

 

暮れていくその向こうに


生まれ変わった明日を


想像してくれないか

 

美しい薔薇には棘がある


もし花だけが土へ帰った時に


残された棘はどう決断するのだろう

 

長くて狭いあの産道で


くぐり抜けた後に待つ光を


どうして君は知っていたのだろう

 

君のシナリオには


書き直すことは許されていない


書き加えることは認められている

 

いまひとりぼっちで歩いている君へ

 

このつまづきに肯けるその時まで

 

愛のレシピ

洗いざらしの心なら

乾きたてのように吸い込み

もぎたてのヒントで

搾りたての答えを見せる


おぼえたてのやさしさ読んで

入れっぱなしの感情を洗う

最後に挽きたての勇気でかき混ぜれば

ほかほかの愛が生まれる