2018-01-01から1年間の記事一覧

パイナップルの涙

パイナップルの涙 賑やかな南国の 行き交う町の路面店 手書きのマジックで 値札がつけられ並んでる 手にした人の舌に湧いてくる酸味 期待したような甘み そんな果実になった そんな果実になるしかなかった 熱されたアスファルトのそばで 排気ガスを吸い込み…

Rain

Rain 村で降れば喜ばれ街で降れば嫌われる あの星を隠していたのは樹々たちを励ましていた夜 渇いた喉を潤す言葉で乾いた心に沁みる涙を伝えた 運河を行く船を教えてはいけないオアシスを想像することが大切なのだと 赤子はベビーベッドの窓から雨粒が弾いた…

水域

思いが水域を越えたとき溢れたしずくが言葉になる発した言葉は気化していくが人はそこに湿度を感じる湿度はやがて風に消えていくが空はそのことを憶えてる搾りたての答えを挽きたての勇気で運んでくれるんだ届け 届け願いには純度がある願いには新鮮さがある…

月のしずく

ブラインドの隙間から星が覗いている 群青色の空書き終えてない日記をゆっくりと閉じていく地平線 景色を飲み込んでいた霧が朝と入れ替わっていく 濡れている道ばたは月が落とした雫のようで描けなかった自分に気付いてほしい 人は眠りの浅いときに夢を見る…