Rain


Rain

村で降れば喜ばれ
街で降れば嫌われる

あの星を隠していたのは
樹々たちを励ましていた夜

渇いた喉を潤す言葉で
乾いた心に沁みる涙を伝えた

運河を行く船を教えてはいけない
オアシスを想像することが大切なのだと

赤子はベビーベッドの窓から
雨粒が弾いた黒鍵で眠りについた

幼な子はお気に入りの長靴で
水たまりの弾力を確かめた

土砂降りの下校の時
わざと傘を忘れて帰ったのは
まるでショーシャンクの空を見上げる姿で
僕を僕に教えてくれたから

いつからか僕は大人になって
洋服を濡らされないように歩くようになった
道を選ぶようになった

歳を重ねた記念日に
そんなことをふと思っていた

どんなことが降り注ごうと
虹色に架かるように生きていかなくてはと