2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

"朝の太陽"

僕がにぎりしめたハンドルは もうしばらく離したことがない 乗客は大勢だ いろんな景色を見てきたし 竜が飛び出しそうな嵐も経験してきた これだけ大勢なのだから ハンドルではなく 舵と呼んだほうが正しいだろうか はじめはよかったんだ ボートにはペースが…

“傷み”

大人になってからの旅路は幼い頃に奪われたものをいつも取り返そうとしている あの人もこの人もどこかに埋めてしまった悔しさをいまはもう思い出せないでいる 「ごめんな」と言われたい 「ごめんな」ではゆるせない 大人時代の3年間の経験は二歳児が3分間で…

“寝顔”

"寝顔"朝の先っぽで目が醒めるいま僕は睡眠の波間にいる 雨の音に気付いてしまった部屋で聴く雨音は どんなBGMより心地がいい もう一度ベッドに倒れることもできたがカーテンを開けるほうを選んだ 街の寝顔を見渡してみるコントラストを失った家々黙りこくっ…

“ファッション”

“ファッション” どうやら言葉がダイエットを始めたんだ言葉のぜい肉がそぎ落とされて歩きやすくなってきた 青年の頃のベルトをどこにしまっただろうかあのチノパンをとっておけばよかったこの革靴くらいは許されるだろうか 時間は流行を連れてくる流行は眩し…

”6月の太陽”

”6月の太陽” 追い抜きたい時 見上げてはいけない 埃の中を駆けていくこと 好機を待たないこと そうすれば逆転は必ずある 偶数で整えたいことが 奇数のように割り切れない そんな余りを握りしめ 「これでどうだ」と胸を張った 6月の太陽になりたい

“その女の子は泣いていた”

泣きながらサッカーしてる女の子がいた無表情で戦う女子チームベンチには指示を出し続ける2人の指導者保護者も一緒になってしまって2.1chスピーカーみたいだ 試合なんだから勝利は目指すものだけどその喜びのために大事なことをそぎ落としてきたら… 脱げない…

"家族"

"家族" ほこりっぽい服で家に着くと「おかえりなしゃい」の言葉が泡になって飛んできて僕の顔をはじいてくれる 春の花畑に 菜の花が咲くように僕の家には 待ってる人がいる 積み木みたいに崩したい昨日とレゴブロックのように残したい今日 そういえば季節は…