コントロール
紙芝居のクライマックスで
成敗される鬼たち
振り回している金棒は
弱さのサイズを表している
群衆が買い求めるのは
品種改良で頬を染めた果実
噛みしめて飲み込むあいだ
種が無いことに気付くことはない
もうブラウン管はすっかり改造されていて
モノクロ画質が
さもカラーであるかのように胸を張っている
記者がペン先に付けたいインクも指定され
気付かぬうちに太字にされて
印刷されている
人は視覚で読み取り
フレーズで学んでしまう
事実と現実と真実は同じ箱の中に入れられ
福引きの確率で
手にしなければならない
これから流れてくる言葉が
白くても黒くても
もうそれすらコントロールされたあとだろう
夏のある日から
「おはよう」で起きて
「おやすみ」で眠れるようになった
直感は僕を裏切らず
コントロールされることもない
そろそろ気付いてもいいだろう
すべては